まずはこのワラジムシを見てほしい。
普通のワラジムシと比べると様子がおかしい。
いわゆる"ナミワラジ"であるPorcellio scaberとは違う種のように見える。
Porcellio scaberと言えば暗い灰色で平べったいイメージだが、このワラジムシはどうもそんなイメージとは異なるまだら模様をしている。
白体の数や腹尾節などの部分的な特徴はPorcellio scaberと非常に似ている。
もしかして、Porcellio scaberによく似た別の種なのか・・・!?
・・・なんてことはなく、これもPorcellio scaberであり、いわゆる”ナミワラジ”。
Porcellio scaberにはある程度の色彩パターンがある。
ノーマルな全体的に灰色のタイプ。
ノーマルの色だが、身体のふちが少し薄くなっているタイプ。
これらはまとめてwild typeと呼ばれているっぽい?そのまんまじゃん
このふたつがほとんどを占めているが、少ない確率で複雑な模様をした個体が発生する。
そのうちのひとつがこのまだら模様のタイプ。
このようなタイプはCalicoと呼ばれている。
Calicoは恐らく三毛猫の英語名であるcalico catが語源だと思われる。
Calicoには赤くなる個体が発生することがあり、このタイプは"Red Calico"と呼ばれている。
また、Calicoにはふちの色が薄くなるパターンも存在し(写真はRed Calico)、ふちが薄くなるかならないかはPorcellio scaberの色彩タイプに置いて基礎に当たる部分になっているのかもしれない。
Calicoにも個体差があり色が薄かったり濃かったりするものがある。
さらに調べてみると、"Lava"だったり"Orange Ember"だったり"Lemonade"といったカラフルなワラジムシの画像がたくさん出てくるが、恐らくこれらは選択交配を続けたものや、突然変異の個体を累代させたものであり、通常発生するPorcellio scaberの色彩パターンとは少し異なるものだと思われる。
突然変異を除き、自然発生しうるPorcellio scaberの色彩パターンの写真はここで見ることができる。
→British Myriapod and Isopod Group-Porcellio scaber Latreille, 1804
恐らくここに載っている写真のタイプが通常発生しうる(突然変異とまでは言えない)色彩パターン。
どのような形で色彩タイプが決定するかは不明だが、Red Calicoを累代飼育して様子を見てみようと思っているところ。
ナミワラジはどこでも大量に見れる種なのでいつものワラダン探しついでにいろんな色彩パターンのナミワラジを集めてみるのも面白いかもしれない。